肌寒い冬の車にて。灯台の立つ岬。シャッターに映らなかった満天の星空。

 

某肌寒い冬の日のこと。

吐いた息が真っ白の気体になって、

煙草の煙のように外気に溶け込んでいくほどの寒い日。夜。

 

男4人でさんざん遊び尽くした後に、

近くにある丘の上にある灯台まで車を走らせた。

 

辺りはもう真っ暗。灯台までの坂を登る間は、

頂上まで一直線に繋がる道と、

 

歩道脇の柵越しに、街に灯る小さな光の集合体と、

その街を飲み込んでしまうほど広大な海だけが見える。

 

 

坂を登ると、岬の先端にひっそりと佇む灯台。

柵の向こうには水平線の奥まで展望できる広大な海。

 

水平線の切れ目から広がる真っ黒なキャンパスに、

数え切れないほどの眩い星。満天の星空があった。

 

 

僕たちは車から外に出て、白い息を纏いながら、

柵のギリギリまで身を乗り出した。

 

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「あれって何ていうやつだっけ。確かあれって、、、」

 

「オリオン座でしょ。左上と右下に目立った明るい星があるもの。」

 

「リゲルだっけ。あとベテルギウスだった気がする。一等星ってやつでしょ。」

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「冬の大三角ってあれじゃない?」

「どれどれー。あ、あの光ってる星のところか!」

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「それにしても冬ってこんなに星見えるんだね。」

 

「今までも見てるはずなのに、全然見れてなかったなぁ。」

 

「こうやってじっくりと見ると1つ1つ、

唯一無二の良さがあるけれど、

 

一番光ってる星くらいしか見ないものよね。

まあどんな世界でもそうなんじゃない?人だってそう。」

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深いなぁ笑。と感心してしまいながら、

僕たちはしばらく満天の星空を眺め続けた。

 

流れ星を見るまで帰れないゲームもした。3回ほど見た。

友人の1人は1回も見えなかったらしい。

 

 

こんな綺麗に星が見える日なんて、

そうそうないだろうと、しばらくして友人の1人が、

車からスマホを持ってきてカメラを立ち上げた。

 

「あー、やっぱりカメラだと全然映らないんだぁ。」

色んな方向に向けて見るものの、

 

そのレンズ越しの液晶に写っていたのは、

真っ暗なぼやけた映像だけ。星なんて1つも見えない。

何回か撮ってみたもののどれも星は映らなかった。

 

 

「こんなに綺麗なのに。後で見返したかったなぁ。」

残念そうに友人はポケットにスマホをしまう。

そこにいる全員の声を代弁してくれたと思った。

 

しばらくして、もうどれだけ時間が

経ったかは分からないけれど、

そろそろ行こうか。と僕たちは帰路に着いた。

 

 

あの日の、月も、満天の星空も、静かな海も。

もう、1枚たりとも記録には残っていない。

 

でも、不思議なことに、1年以上経った今でも、

鮮明にその景色を覚えている。事細かに。

 

車を停めた場所も。柵の形も。

星の色も。流れ星が流れたタイミングも。

月の形も、色も。海の波紋すらも。

 

記録には決して残っていないのに、

記憶には鮮明に残っている。

 

 

もう誰が言ったかも忘れてしまったけれど、

いつかの誰かがこんなことを言っていたのを、

ふと思い出した。

 

同じように星を眺めていた時のこと。

カメラに保存しようとしていたときのこと。

 

「頑張って撮ろうとしてるんだ笑

夜の世界って全部綺麗だよね。星も、月も、

昼に見えている景色すらも、夜はどこか違う。

 

でもさ、上手く撮れないよね。残しておきたいのに。

まあ記憶にしか残らないから、それがまたいいんだけどね。」

 

 

思い返してみれば、

そんなものが沢山あったような気がする。

 

「決して、記録には残せなかったけれど、

記憶として残り続けているもの。」

 

むしろ、長い時間軸を超えて、残り続けてるものは、

大抵そんなもののような気がする。

 

 

逆に、記録として鮮明に残っているものほど、

山のようなフォルダの中に埋もれて、

記憶にはもう残っていないような気がする。

 

記録と記憶には、そんな相反の性質、

ジレンマがあるのかもしれない。

 

 

僕はこれまで、ブログやメルマガで、

この物語コラムでも、保存の重要性を繰り返し

提唱してきたし、僕自身も保存の概念を活用している。

 

ただ、それと同時に、

満天の星空を見たあの日のような、

 

「記録として残らないもの」にも、

巨大な価値が帯びていることに最近気付き始めた。

 

 

どう足掻いても、決して記録に残らなかったもの。

保存したかったけど、あえて記録に残さなかったもの。

記録に残そうという意思の前に通り過ぎた一瞬。

 

今の時代は、YouTubeやブログで、

あの有名店のグルメも、買いたかったブランドも、

ゲームも、行きたかった旅行先の景色も。

 

そのほとんどを見れてしまう。

 

 

わざわざ自分が先陣を切って、

行動を起こす必要性がなくなってしまった。

 

今の時代、自分がやりたいことは大抵、

自分の代わりに誰かがやってくれてしまっている。

 

Googleアースを使えば、

一瞬で地球の反対側まで辿り着けてしまう。

 

もう何もやり残したことなんてないじゃんかと。

何に対しても絶望を覚えたこともある。

 

 

でも。それでもまだ、

僕たちが希望を持って生きてゆけるのは、

 

あの日、決して形として残らなかった星空のような、

「記録に残らない景色」がこの世界のどこかに、

まだ無数に存在するからなんじゃないか。

 

いつか、そんな一瞬に出会うためだけに、

そこに希望を見出して、危険を背負ってでも、

 

誰かと出会い、どこかへ行き、

何かを決断するんじゃないかと。強くそう想う。

 

 

GoogleやInstagram、Twitterの

文章や画像には載っていない景色、出来事。

 

・分かり合える気がしていたのにやっぱり叶わなかった時の絶望。

 

・顔も知らず、お互いどこにいるかも分からない状態で、通話越しで話していた不思議な夜。

 

・この人だけは言葉を交わさなくても、自分のことを理解してくれるという人との遭遇。

 

・今はもう取り壊された、窓越しに海が映る3Fの美術室。中学校の校舎。

 

・友人が煙草の煙と同時に、ふと放った何気ない13文字以内の言葉。

 

やっぱり、思い返してみれば、

もう今は記録として残っていないものだけが、

記憶として生き続けているような気がする。

 

 

その瞬間といつ遭遇できるのかは分からない。

 

でも、その記録に残らない瞬間は、

世界のあらゆる場所を探し回ったとしても、

記録として存在しないことだけは確かで、

 

だからこそ、その瞬間と遭遇すること、あるいは、

他の人のそんな瞬間をこっそりと聞き出すことに

僕たちが生きる希望が残されているのだと思う。

 

それがあるゆえに、まだ、傷を背負いながらでも、

進み続ける意味が存在するのかもしれない。

 

 

これまでの出来事を振り返ってみても、

唯一そんな瞬間だけが、僕たちに勇気や希望を、

意味を与えてくれていたと思う。

 

 

最後に。沢山の人と話して思ったことがある。

記録に残っている話は大抵、大したネタにならない。

話したところでそんなに盛り上がらない。

 

だから最終奥義として、誰かに話せなかった、

記録に残っていない、記憶だけに生きる、

話のカードを切ることだけが、

 

何がなんでも関係を深めたい相手との

心打ち解ける瞬間を生んだりするのだと思う。

 

 

そんな話を、これから数え切れないほど聞きたい。

 

そんな、地球上のどこにも、

記録として存在しない話を聞きたいゆえに、

一度も喋ったこともない人に話しかけることも多い。

 

もしかすると、記録に残らなかった瞬間の記憶は、

記録の消費期限を遥かに凌駕するもので、

 

容量の関係上、記録には残せないほど、

感情の要素を潤沢に含んだ断片なのかもしれない。

 

 

今年もまた冬に、あの星空を見に行こう。

という話になっているので、

 

またあのプラネタリウムのような光景が

見れると思うと非常に楽しみである。

 

次は初めからスマホもairpodsも車に置いて、

岬から静かな海と夜の星空を肉眼に残したいと思う。

 

 

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最後まで読んで頂きありがとうございました。